テレビやYouTube、そして書店でよく見かけるこの人物
落合陽一をご存知だろうか?
メディアアーティストであり、研究者であり、経営者であるという人物
この3つの職業を持つからこそ
多角的に世の中を見ることができる
そんな落合陽一さんがこれからの日本が備えるべき(取り戻すべき)価値観、テクノロジーとの付き合い方、政治・教育・社会のあり方を書いた本が
『日本再興戦略』落合陽一
様々な視点から日本の未来を考えたい方
5Gや自動運転、AIやブロックチェーンという技術が世の中にどういう変化をもたらしうるかざっくり知りたい方
西洋的ではなく東洋的価値観を見直したい方
※記事内でもふれるように、注釈が多かったり、落合さん独特な言葉みたいなのがあったりして、そこらへんが人によっては合わない
※かなり多岐にわたったテーマを扱うので、1つ1つ理解するには向かない
落合陽一
さて、そもそも落合陽一とは何者なのか?
メディアアーティスト
これ聞いてもよくわからない
ニューメディアアート、メディアアート(New media art, media art)は、20世紀中盤より広く知られるようになった、芸術表現に新しい技術的発明を利用する、もしくは新たな技術的発明によって生み出される芸術の総称的な用語である。特に、ビデオやコンピュータ技術をはじめとする新技術に触発され生まれた美術であり、またこういった新技術の使用を積極的に志向する美術である。 (Wikipedia)
ということで
お台場のチームラボの展示とか
ディズニーランドのプロジェクションマッピングみたいなモノをイメージしたらいいのかなと思ったのだが
それもちょっと違くて
あれらはエンタメ的なアート
もっと、美術館に飾られるようなアートの方がイメージが近そう
でも実際に見たことないからよくわからない
とメディアアーティストという言葉からまずつまってしまったが
そのアーティストとの顔意外にも多彩な職分を担っている
会社を経営している者としては経営者であり
筑波大学で教授をやって、論文を出してるものとしては技術者であり研究者
筑波大学で大学の経営に関わっているという意味で教育者
経営、教育、アート、技術と多くの強みを持って組み合わせた独自性を持っているのがこの落合陽一という人物
だからこそ、幅が広く、広すぎる故によくわからないこともよく言う
『魔法の世紀』や『これからの世界をつくる仲間たちへ』など、多数の著作がある
落合陽一とは、経営者であり、アーティストであり、研究者であり、教育者である
西洋思想と東洋思想
西洋的個人を超越しなければいけないのです。一人が一つの転職によって生きる世界観に我々はもともと住んでいませんでした。百姓とは100の生業を持ちうる職業のことです。
文章読めばもちろんもっともっとわかりやすいのだが
一部抜き出してわかってもらうのが難しのでもうちょっと補足!
西洋的思想とは、キリスト教(一神教)に根ざした価値観であり、個人が神のような絶対的な存在を目指す
○か×かの二択で考えることが多い価値観
一方、東洋的思想とは、一神教ではない世界観
自然と共存する価値観
八百万の神、神即自然とかいう言葉は聞いたことがあるだろう
○か×かで考える、または、強い個人を目指す考え方とは違うのが東洋思想
自然とともに生きるから、自然にあわせていろいろな仕事をする
強い個人ではなく、小さなコミュニティに根ざした生き方
他にもこんなことを言っている
わかりにくいものを頑張って勉強することで理解していくーそれが東洋的な価値観なのです。言外の意味を修行によって獲得する。それは、言外の意味が参照可能な西洋的文法に対して、内在させようとする仏教的、東洋的文法だと思います。
西洋的な考えでは、わかりづらければ、わかりづらい教え方が悪いとなるが
東洋的思想ではそうはならない
東洋思想といえば論語、老子荘子の思想、仏教などがあるがいまいち掴みどころがなくぼんやりとしている
日本の美というものでは、完成形ではなく、自分で少し補足するような余白が良いとされている
この本も、必ずしもわかりやすいとは言えない
なんてったって、第1章から注釈が52こ、6pもある
これもなんでもわかりやすく、噛み砕いばかりが良いというわけではないことを
体現しているのだろう
今、世界の人口70億人のうち
10億人がヨーロッパ、10億人がアメリカ、10億人がアフリカ
残り40億人がアジアである(アジアといってもちょっと広いからずるさもあるが)
現在のGDP1位はアメリカだが、中国に抜かれる日も近い
世界の中心も西洋から東洋に変わろうとしている
そんななかで、東洋の文化圏に住む、日本人はいまいちど東洋的思想というものを見直す必要があるのではないか
東洋思想を見直す
士農工商
士農工商という序列やよくできています。これは、コンピュータ時代にも、価値を持ちうるような、とてもいい並びだと思っています。
大きく分類すると、士は政策決定者・産業創造者・官僚で、農は一般生産・一般業務従事者で、工がアーティストや専門家で、商が金融商品や会計を扱うビジネスパーソンです。
ここでいう農とは、農業従事者ではなく百姓のこと、自営業者やマルチクリエイター
ここでモノを生み出していないのが商であり、本来なら序列的には一番下である
別に、序列が下だから価値を生み出していないというわけではないし、重要な役割はになっているのだが、必ずしも必要か?何か新しい価値を生み出しているか?、というとそうではないだろうというわけだ
それなのに今の世の中では
金融など、商の人が稼ぎがよく、学生からの人気も高くなっている
これはおかしい
これからテクノロジーの発展によって、このような最適化を担う職業は機械に代替されていく
金融は新卒大量採用をやめ、リストラも募っている状況になっている
その結果、コンサルティングや商社の人気が相対的に上がっているが
この傾向もいつまで続くかわからない
テクノロジーの後押しもあるいま
改めて、農(百姓)や工(専門家やアーティスト)の価値を見直す必要がある
アーティストというのは、人類が今まで蓄積してきた美の最大到達点をさらに更新しようとしている人たちです。博士というのは、人類がそれまで蓄積してきた知をほんの少しだけ外に広げる人たちです。だからそこ、社会的価値がとても高いのですが、日本ではそうした認識がありません。
日本が文化の価値を取り戻すためには、学ぶべきは江戸以前の文化です。日本人は本質的には文化価値や職人芸を認める伝統があります。そこに、お金への信仰という尺度はなかったはずなのに、いつのまにか拝金主義が入ってきてしまいました。
士農工商の身分制度に立ち返る
5Gや自動運転によって開かれる世界
自動運転によって移動の概念そのものが変わります。移動が自然に溶け込むのです。
5Gがもたらす恩恵の重要な点は、「空間伝送」がとてもやりやすくなることです。「空間伝送」とは、他の人と3次元の空間を共有することを意味します。
自動運転や、5Gを単なる
移動が楽になる、通信が早くなる
と捉えてはいけない
移動という概念そのものが変わるし
空間的距離という概念も変えてしまう可能性を持っているのがこれらの技術だ
もし移動が完全に自動化されれば
土地の価格なども変わってくる
空間的距離の概念が変わり
自動翻訳やAR、VRという技術が加わると
本当の意味でのグローバルな世の中が訪れるかもしれない
エンターテイメントの新しい世界が広がるかもしれない
より臨場感を持って、動画を体感できる世界が実現するかもしれない
遅延がないことから遠隔医療への応用も期待されている
そもそも5Gと自動運転は切り離せない関係でもある
輸送費や移動費、空間的距離というものがなくなると
いろいろなコストが削減される
ブロックチェーンも物凄いポテンシャルを秘めた技術だ
中央集権的で、絶対的な誰かが管理していた信用を
技術で管理するのがブロックチェーン
例えば銀行
今まで中央が管理する、そこにコストがかかっていた
その信用を武器にお金を作っていたのが銀行だが
銀行に頼る必要がなくなる、ということだ
例えばブロックチェーンの技術を使ったものの1つに
ビットコインなどの仮想通貨がある
あのブロックチェーンの信用を担保しているのは
どこかの企業でもなければ政府でもない
以前、取引所がハッキングされたことがあるが、あれはブロックチェーンとはまた別の話
どの技術も物凄い可能性を秘めているがゆえに
今までの社会との軋轢が生まれたり
まだ解消できていない技術的課題もある
だが、これらの技術が世の中を変えていくことはほぼ間違いない
5Gや自動運転は空間的距離や移動という概念そのものを変えるし
ブロックチェーンは中央集権での管理からの脱却である
まとめ
- 研究者であり、教育者であり、アーティストであり、経営者であるのが落合陽一
- 絶対的個人や、二者択一で考える西洋思想から、なんとなくぼんやりしている東洋思想へ立ち返る
- 生産者である、百姓や専門家、研究者の価値を見直す
- 5G、自動運転、ブロックチェーンというのは、何かが単に便利になる、という次元ではない変化をもたらす
かなり多岐にわたるテーマのうち3ポイントピックアップさせてもらいました
どれか1つでも気になった方などは書籍の方を読んでもらえるとより深く理解できますので、是非手にとってみてはいかがでしょうか
ここまで読んでいただきありがとうございました