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【書評】『シン・ニホン』安宅和人|AI×データの時代を生きる人材

2016年の大ヒット映画

『シン・ゴジラ』

紅白歌合戦でもゴジラの演出をするほどのヒット作
(自分はまだ見てないがAmazon Primeで見れるようなので近い内に見ようと思う)

その映画荷インスピレーションを受けて生まれたというのが今回紹介する

『シン・ニホン』安宅和人

 

著者である安宅和人さんといえば
イシューからはじめよ』の著者としても有名だ
>>【書評】『イシューからはじめよ』安宅和人|ロジカルシンキングの基礎

「ロジカルシンキングでおすすめの本を5冊あげよ」と言われれば
大抵の人があげる1冊だろう

10年にわたって読まれ続け、累計25万部を超えている名著
ロジカル・シンキング(論理的思考力)に興味のある人は是非手にとってみてほしい

 

そんな安宅さんが、今をときめくNewsPicks(NewsPicks パブリッシング)から出した新刊

※NewsPicksパブリッシングは2019年にNewsPicksが立ち上げた出版レーベルで
幻冬舎の箕輪さんが編集長を務めるNewsPicksとは別のもの
>> パブリッシングの編集長井上さんと箕輪さんの対談記事

 

内容としてはサブタイトルの通り
AI×データ時代における日本の再生と人材育成

AIが騒がれだし
「AIに仕事が奪われる」だの、「AIが人間を超える」だのと
色々言われている世の中

その世の中をAI人材という観点で分析し
日本と海外を比較

必要な教育はどのようなもので
それを実現するために、お金の面なども含めどうしたらいいのかというのを数値やデータを用いて具体的に解説

 

応急処置的な短期的な視点ではないし
はっきり言って、実現可能かといえば個人的にはかなり難しく感じた

現状、日本のIT業界はアメリカや中国、更には韓国やインドと比べても
遥かに劣っている状態

ここから逆転、逆転しないにしてももう少し追いつく
そんな未来があるのかはわからない

極論、その必要性があるのかもわからない
25歳の自分としては
「日本にこだわらず、海外行ってしまえばいいかな?」と思う気持ちも正直ある

ただ、日本にこだわるとかそういうレベルを超えて
「テクノロジーをいかし、よりよい社会を築いていこう!」という観点にたったときに、あるいはたつために

必要な情報が詰まっているのがこの本

 

即効で役立つものではない
ビジョンが長期的すぎるしスケール感も大きすぎる
個人でできることがなんなのかもこの本ではわからないことも多い

自分には関係ないなと思ってしまう人もいるだろう

数学を学ぼうという内容もあり、その時点で嫌悪感を持ってしまうかもしれない

それでもなお、未来を作っていこうとい人に読んでほしい1冊

 

NewsPicksパブリッシングのVISIONは

希望を灯そう

まさにその言葉通りの1冊だった

 

こんな方におすすめ

AIに関わっている人、関わっていきたい人

未来を作っていきたい人

教育に関わっている人

 

AIってなんなの?という話はこの本の中では多くは触れられていない

あくまでAI時代に求められる人材やスキル
そしてそういった人材を育むためになにをしたらいいのか?

ということが書かれている

 

情報量が多く、この記事内でポイントを伝えるということはできない

ここまで読んで、『シン・ニホン』に興味を持った方は是非、まず書店で手にとって見てみてほしい

 

この記事では
理工系大学院出身で、教育に関心がある自分が
特に影響を受けた部分をピックアップして紹介させていただく

やや個人的な話にもなるが

すでに読了済の方は、そのポイントについての考察を深めるために
まだ読んでいない方は、ちょっとだけポイントを垣間見るために生かしていただければと思う

YouTubeに安宅さんの動画もあるのでこちらもあわせてお楽しみいただきたい

 

自分で要約動画も作ったので音声で
さくっと全体像を知りたい方はどうぞ!

 

 

 

『シン・ニホン』の3ポイント

本書内の序盤ではこれからの時代に求められるスキルや人材の話

中盤で、序盤で話した人材を生み出すための国や社会の作り方

そして、最後に著者が行っている「風の谷」プロジェクトというまちづくりのプロジェクトの話

 

中盤、後半も面白いのだが
国や社会、まちづくりという観点は自分にとってはスケールが大きすぎるし
興味はあるが実感がわかない面もあったので、

前半の教育や人材のほうがより印象的だった

 

AI×データの時代に求められる基礎スキルは

  • 分析的に物事を捉え、筋道だてて考えを整理し、それを人に伝える力(リベラルアーツ教育の基礎となる三学(文法学、論理学、修辞学)
  • 数理的基礎力やサイエンスに対しての知見
  • 理想を思い描く妄想力、美意識

 

どれも決して新しい内容ではないし
すでにどこかで聞いたこともあるかもしれないが

それぞれについて、本書での分析をみていこう

リベラルアーツとしての基礎力

AI×データの時代とはいえ
「統計の知識をみにつければいい」と考えるのは早計だ

まずその前に土台となる教養が必要である

その1つがリベラルアーツの三学

高等教育が終わった段階でも大半の人がリベラルアーツ教育の基礎となる三学(文法学、論理学、修辞学)を身に着けていないのだ。

 

リベラルアーツと聞くと
芸術系のものを思い浮かべる人が多いかも知れないが

古代ギリシャ、ローマ、そしてヨーロッパの大学へと受け継がれていったリベラルアーツとは

<リベラルアーツとは>
三学とよばれる文法学・修辞学・論理学

四科とよばれる算術・幾何・天文・音楽

のことであった

その中での三学、土台となっている基礎教養が文法学、修辞学、論理学と言語に関わる部分

 

 

ちょっとこの言葉だとわかりづらいので本書の中の言葉を借りれば

<リベラル・アーツの三学とは>

・分析的、構成的に文章や話を理解し課題を洗い出す

・論理的かつ建設的にモノを考え、組み上げる

・明確かつ力強く考えを口頭及び文章で伝える

 

この教養を身につけるための科目として一番適していそうなのが国語であるが
残念ながら現状は、そういった目的とはかけ離れている

我が国の国語(日本語/母国語)教育では、あえて不完全に書かれた「小説、随筆の書き手の理解、言いたいことの推測」にかなりのエネルギーが割かれ、「分析的、構造的に文章や話を理解し、課題を洗い出す」という理解・解題能力の育成は明らかに後回しになっている。(中略)つまり、日本における母国語教育とは、慮り、空気を読む能力、社会に出た時に丸く角が立たず生きる力を鍛える場であり、本来的な意味の基礎となるコミュニケーションスキル・思考能力を鍛える場になっていない。

 

最近では見直されだしてはいるが、まだまだ時間がかかりそうな現状

 

社会人がこれらのスキルを身に着けたければ方法の1つは
ロジカルシンキングについて学ぶというのがある

冒頭でも紹介した安宅さんの『イシューからはじめよ』を読む、というのも1つの手だろう

 

ただ、これでもまだ実践的か、という部分で劣ってしまう

日頃のコミュニケーションで意識していくというのでももちろん効果的だと思うが
他にオススメの方法といえばやはり
あらゆるインプットに対して、アウトプットしていくというのがが効果的

アウトプットとは書いたり話したり

書くならnote、ブログ、SNSなど
もちろんメモでもいいが、他人に見られる方が効果は大きい

話すなら
友人に話すでもいいし、YouTubeや生配信などもある

もし読書を良くする人であれば、読書でのインプットをそのままアウトプットする
>> 読書×Twitterの3つの発展

 

他に学校で学ぶ方法もある
自分が理系なので、文系のことはいまいちわからないが
理系大学院進学は、理系の専門性以上に、論理的な思考力が身につく
>> 理系大学院進学のメリット、デメリット

 

社会人からわざわざ理系の大学院に行くという選択は現状とりづらいだろうが
すでに進学している人、これから進学する人は
ここらへんの論理的思考力を鍛える場でもあるということを意識すると

より有意義な学生生活が送れる!

 

自分としては読書×ブログ、SNS、生配信、YouTube

というのが思考力強化にとって、かなり大きなメリットがあると感じているので
これからも続け、その魅力を伝えていきたい

論理的な思考力、表現力を身につけるために

ロジカルシンキングを学ぶ、文章や音声でのアウトプットをする

数理的基礎力の見直し

 

次に、やはり避けて通れないのが理数系のスキルである

日本だと高校の早い段階で文理別れてしまい
文系に行くと、全く数学をやらなくていいということになる場合がある

ここも1つ問題であるのだが
それ以上の問題と指摘されているのが以下の内容

中学2年生を見ると数学のレベルは国際評価システムTIMSS2015参加43カ国の中でも屈指(トップ5)と極めて高い一方で、数学を「とても好き」だと答える学生の割合は9%と、ほぼ最低レベルにある、という驚くべき事実だ。「技」を身につけさせることに関しては大成功しているかもしれないが、「やる気にさせる」という意味ではとても成功しているとはいい難い。教育というものがその人一人ひとりの才能を引き出し、未来に向けての自身と心構えを身に着けさせるためにあることを考えると、むしろ大失敗しているとさえ言える。

 

これも原因となり
日本人の理系大学への進学率が低い

理数素養のある学生の割合が少なすぎる
これらの大きな背景の1つは、日本では大学進学者のうち理工系(医学、薬学を除く)が2割強しかいないということにある。その結果、韓国と比べても年間10万人以上も大卒者で理工系の人が少ない。

 

理工系に進む人が少ない上に
文科系に言ってしまう人で、全く数学を学ばない人がいる

そこが科学技術を高めていこうというときには、大きな大きな弊害になってしまう

 

決して数学のスキルが無いわけではないのにも関わらず
苦手意識が埋め込まれ、毛嫌いしてしまう

そんな状態の人が結構多いんじゃないだろうか?

 

これは物理でも同じで
物理はとにかく嫌われている

物理系大学院出身者として、何度も感じた

とぅーん
とぅーん
物理とか数学って、ゴキブリの次くらいに嫌われてない?

 

でも、学校の授業をうけていたらそうなっちゃうのも仕方ないんじゃないかなと思う
本来、ただの言語、ツールである数学をツールとしてではなく学習対象として学んだり

時代背景とか、意義を伝えずに、知識として物理を習う

こんなんで楽しいとか好きって思うのはなかなかに難しい

物理を学ぶ最大の意義が
その思考過程にあると自分は思っている

なのにそこらへんは学校の授業では殆ど触れられない

当時、どんな問題意識があり、その法則がうまれたのか?
そしてその法則を記述するのにめちゃめちゃ便利なのが数学である

 

法則がぽんっ、と天才の1ひらめきによってうまれるわけではない
幾人の科学者が実験観測失敗を繰り返していく中で徐々にうまれるのが法則であり

その過程にこそ意味がある

 社会に生き、若者が未来を創っていくために、人間の物語を理解しておくことは大切だ。一つひとつの異形は観念論的なものではなく、すべてリアルな課題を乗り越えることによって解決されたことであり、その実感と重さを想像することはきっと未来において彼らが何かを仕掛けるための大きな力になる。
ちなみに大学教養レベルの自然科学系の教科書一つとっても、米国ではそのあたりの試行錯誤が生々しく描かれている大変に分厚いものが多い。一方、日本は結論だけの薄っぺらいものが多い。これはおそらく高校時代から始まっている問題だと考えられる。腰を据えて教材の見直しも必須だろう。

過程がすっ飛ばされて正解を伝えるという、無味乾燥な伝え方
大量の生徒に、限られた時間で効率的に伝えようとすると
そうなってしまうのはしょうがない面もあることは認める

そこは改善したいなと思っていた点なので
最近動画制作を初めた

そのまま自分がやれるのか
もっと優秀な人がでてきてくれるのか
仕組みが整うのか

極度に数学や理科といった理数系科目に抵抗を感じている人の抵抗を
少しでも取り去れたらなと思う

そして自分も、データサイエンスや統計周りの数学もこれから学んでいく

とぅーん
とぅーん
教育者ではなく共育者

数学や科学の楽しさを知ろう

楽しさを知れる機会を増やそう

自分もスキルアップしよう

 

才能を解き放つ

成長期の均質な人材を大量に生み出すための教育をやめて
個人の強みを伸ばせ!

みたいなことは最近どんどん言われだしている

なのでこれも新しいことではない

 

ただ、改めて、未来を創っていくにはどうすればいいか

これに対する僕の答えはシンプルだ。未来は我々の課題意識、もしくは夢を何らかの技・技術で解き、それをデザインでパッケージしたものと言える。つまり「未来=夢×技術×デザイン」だ

 

刷新、0to1が価値創造の中心になる世界においては、単なる技術獲得だけではなく、夢を描く力、すなわち妄想力と、それを形にする力としての技術とデザイン力がカギだということだ。再びこのワイルドに未来を仕掛ける底力を発揮するときが来ている。

 

 

ここらへんの内容を読んで
ニュータイプの時代』山口周さんを想起した
>>【書評】『ニュータイプの時代』山口周|問題が希少で予測不能な時代での考え方

現代を「問題が希少で解決策が過剰な時代」
と評している

「問題を定義する力こそが価値を持つ
問題とは理想と現実のギャップの中に生まれるので理想を思い描く美意識が大切になる」

といった内容が書いてある

 

実際AIにせよ5Gにせよ
技術的にどんなに優れていようが、最後はそれによって

何をどのように変えるのか?

ということこそが大切になる
AIも別に万能ではない

所詮はただのツールだ、ゴールではない

 

常識はずれの奴、ちょっと変なやつを活かせるかどうか
それは周りの人にかかっている

とぅーん
とぅーん
好きや夢を語ろう

身近なコミュニティで言いたくなければ言えるコミュニティに属す、または、つくってしまおう

~べき、や、常識にとらわれず

自分の感じたものに素直になる

 

『シン・ニホン』のまとめ

  • AI×データの時代では論理的に理解し、伝えられる能力が必要となる
  • 数理的素養も必要となる
  • 拡張や改善ではなく0から1を生み出していくためには、夢を描く人が必要

 

本書の中でもほんの一部をとり
自分にできることは?という観点でかいてみました

かなり主観的な話も多くなってしまいましたが
ちょっとでも興味を持った人は、是非本を手にとって見てください

この記事で触れている内容は正直5%にも満たいないような内容なので
きっと気づきを得られると思います

 

ここまで読んでいただきありがとうございました

 

 

安宅さんの別の著書『イシューからはじめよ』
>>【書評】『イシューからはじめよ』安宅和人|ロジカルシンキングの基礎

 

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