ビジネス書書評

【書評】『ニュータイプの時代』山口周|問題が希少で予測不能な時代での考え方

世の中の変化は急速に激しくなっている

そんな世の中で組織も人も変わる必要がある

新時代の人間に必要となる考え方がのっているのが本書

 

『ニュータイプの時代

 

「モノ消費」から「コト消費」とは最近良く聞く言葉だ

これはモノがコモディティ化した結果だとはなんとなく捉えていたわけだが
本書では

 

「問題が過剰で、解決策が希少」な時代から

「問題が希少で、解決策が過剰」な時代になった

と言われている!

 

なるほど、たしかに

 

本書のもう1つのキーワードが

V U C Aな世の中

V:Volatile(不安定)
U:Uncertain(不確実)
C:Complex(複雑)
A:Ambiguous(曖昧)

 

この2つのキーワードをベースに、新時代を生きる”NEWTYPE”の人間がどのような人間かを見ていく

体に染み付いていてついつい陥ってしまうOLDTYPEの考え方と対比されているので

NEWTYPEがどのような考え方なのか明確にわかる

こんな方におすすめ

これからの時代を生きていきたい人

現代がビジネスに求められるものが知りたい人

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』が好きな人

 

 

 

解決策が過剰で問題が希少

とぅーん
とぅーん
「”モノ”消費から”コト”消費」とか言われますが、結局今の世の中は何が起きてるんですか?
NEWTYPE
NEWTYPE

私たちは人類史の中で初めて「問題が希少で解決策が過剰」という時代に突入しつつあります。このような時代にあっては、ただ単に「問題解決の能力が高い」というだけでは価値は生み出せません。(中略)結果として問題解決者の価値が低減する一方で、問題発見者の価値が上昇することになります。

 

自分にとって本書の中で一番印象に残った部分

 

モノというのもいわば何かの解決策

いろいろな、便利なモノやサービスが普及し
多くの人に行き渡り、どんどん価格が安くなっていっている

このような状況の中で「役に立つ」を意識して、解決策を提供しようとしていくと
需要が減ってきているのに、供給を増やしていくのだから
当たり前のようにレッドオーシャンでの戦いとなる
「役に立つ」市場は真似がしやすいという弱みもある

 

今までの日本は
ヨーロッパやアメリカという、問題を抱えていて、提示してくれる国がいた
問題がたくさんあるけど、解決策がない不足している状態
そんな時代には、安く、高品質の、高機能の商品(解決策)を提供していけばよかった

そうやって日本は発展してきた
学校教育でも与えられた課題を解く能力をかなり鍛えられてきた

でも今や日本は、1億人を超える人口を抱え
GDP世界3位の経済大国となり
解決すべき問題は希少になってしまった

 

だからこそ「解決すべき問題」を構想できる人が必要となる

 

そしてその問題設定の際には

その問題の背後にある、「共感できるビジョンやストーリー」が肝となってくる

ある問題があって、その解決策を考えるのではなく
自分が考える理想像と現在のギャップから問題を導き出す

この体現者として有名なのが
スティーブジョブズだろう

「多くの場合、人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ」

というのはジョブズの言葉であり
あるべき理想像を掲げて、自分で解くべき問題を掲げて
その上で解決策を提供していったのがジョブズでありAppleという会社なのだ

 

この、「自分で理想を設定し、問題を考える」
というのは、企業やビジネスのことだけではなく個人にも適用できる考えだ

自分が到達したい理想像を思い描き進んでいけば
自然と解決すべき課題は見えてくる

そうやって見つけた課題を解決していく人たちがこれからどんどん出てくるのだろう

自分もこのように問題設定のできる人間となれるように
ありたい理想像を考えていこう

 

解決策が過剰な世の中では、問題解決能力以上に、問題発見能力が求められる

解決策を見つけるのはサイエンス、理想を追求するのはアート

とぅーん
とぅーん
ありたい理想像を思い描くためには何が必要ですか?
NEWTYPE
NEWTYPE

 答えは「リベラルアーツ」ということになります。
サイエンスは「与えられた問題」を解く際に極めて切れ味の鋭い道具となりますが、そもそもの「問題」を生成するのがあまり得意ではありません。なぜなら先述した通り、「問題」を生成するためには、その前提となる「あるべき姿」を構想することが必要なわけですが、この「あるべき姿」は個人の全人格的な世界観・美意識によって規定させるものだからです。

 

科学者にとっての問題設定の源は知的好奇心だ
「目の前にある現象が起きていて」その原因が知りたい
なぜ?どうやって?その現象が起きるのかを
解き明かしたい

解き明かすとはすなわち言語化であり定式化である

 

そして、科学者が積み上げた知識を技術として製品に応用するときは
「何かしらの不便」という解くべき課題があって
それを解決するために技術を使う

これらの営みは
正解があり、言語化できるものである

 

一方、哲学や芸術といったものに正解はない
なぜそれが良いのかと言われたら「それが美しいからだ」

と答えるしかない
言語化はできない

 

ただ世の中は非常に複雑だ
不安定で不確実で複雑で曖昧だ
どうしたって言語化できるようなものではない
正解だってない

そんな世の中の理想を描くのに必要なのは

論理ではなく直感
理性ではなく感性

自分の心の声に耳を傾け
自分が何をしたのか、どういう世の中を望んでいるのか
世の中のおかしな常識は何なのか
常に考える姿勢

そういったものが求めらえる

 

 

ただここでいっているのは論理やサイエンスがいらないとうわけではない

ただサイエンス一辺倒で問題解決ばかりを考えていてはだめだということだ

ここら辺のバランスは同著者の別の本により詳しくのっているので
気になる方はこちらもよんでみてはいかがでしょう

 

 

問題発見能力を鍛えるには美意識を高める

 

まず始め、やりながら計画し、ダメならやめる

とぅーん
とぅーん
予測困難なVUCAな世の中で大切な考え方は何ですか?
NEWTYPE
NEWTYPE

結局のところ、仕事は実際にやってみないと「面白いか、得意か」はわかりません。「何がしたいのか?」などとモジモジ考えていたら、偶然にやってきたはずのチャンスすら逃してしまうでしょう。
(中略)ここで重要になってくるのが「危ないと感じるアンテナの感度」と、「逃げる決断をするための勇気」ということになります。往々に勘違いされていますが、「逃げる」のは「勇気がない」からではありません、逆に「勇気がある」からこそ逃げられるんですね。

「とりあえずやってみろ!」
ということを書いてある本は多々あるが

このように、辞める部分の重要性を書いている本は中々ない

 

確かに何かを新しくはじめることのリスクってのは

それを失敗することではなく
取り返しがつかなくなるまで引きずって大失敗すること

 

「せっかくここまでやったし・・・」
「途中で投げ出すのはかっこ悪いし・・・」

こういった感情に支配されてやめられない人は
新しく初めることへの抵抗がとても大きくなる

 

ダメだったらやめればいい

そういう軽い感じではあるが、はっきりとした意思をもったうえでやってみるてのが大切になってくるのだろう

IT企業などは特にこのサイクルが早い
製品も一度プロトタイプをだしてみてフィードバックをもらう
それを反映して改良していく

いきなり80点以上を目指すのではなく
まずは30-50点くらいのものをやってみる
その先のことはそのあと判断

ガチッとした計画をもつのではなくて
いろんな状況に応じて柔軟に対応して、計画しながら実行する

VUCAな世の中ではこういうやり方が適している

 

まずやってみる、をやるためには、だめだった時を見極めるアンテナと、だめだった時にやめる勇気が大切

まとめ

  • 解決策過剰で問題が希少な世の中では、問題設定能力が問われる
  • 解決策を考えるのにサイエンスは適したが、問題設定に適しているのはアート、リベラルアーツ
  • VUCAな世の中では「まずやってみる」が大切だが、そのためには即興の計画力に鍬でて、だめを見極めるアンテナとだめならやめる勇気が必要不可欠

 

ほんの一部分しか紹介できていないが
それでも重要な考え方が詰まっています

 

ぜひ一度、手にとって見てはいかがでしょう