読書一般

友人読書家が語る王道小説の魅力と価値

なんとなく大学院生活を送っていたある日

ある映画をみて大きなショックを受けた

なぜ、これほど一生懸命に生きている人が死に
なんとなく生きている自分が生きているんだろう

「いやいやフィクションだから」
そう言ってしまえばおしまいなのだがその時はそんなことが気になった

 

そしてそこから
人の死は悲しいことなのにそれで感動するってのはどういうことなんだろう
感動は良い感情に近い

さらには好きだからといって繰り返しこれを読み
その感動が薄れていったらと思うとそんな未来の自分が怖い

そしてもう1つ

自分はなんか展開としてこういうベタな感じの小説が好きだな
これってのは理想を夢見る経験の浅い人間の感想なんだろうか。。。

そんなことを思った

 

一人で考えてもらちがあかないと思い、友人の読書家を居酒屋に呼び出してお話をした!

その時のお話を紹介

 

答えのある問いではないが
似たような疑問を持ったことのある方は1つの考えとして楽しんでもらい
そんなこと考えたこともなかった!という方は考えるきっかけにしてもらってもいいと思う

そんなこと考えても仕方ない!
もう自分なりに確固たる答えがでている!
という方たちはそっとこの画面を閉じていただきたい

 

読書家の友人との出会い

本題に入る前に
その読書好きの友人との出会いのお話

 

大学生になった1年目

妙に気があう人が見つかった
自分はもともと誰とでも仲良くっていうタイプではなく

当時は、仮面浪人をして別の大学に行くつもりだったので
あまりその大学内で楽しむつもりもなかった

だがあるきっかけから彼も仮面浪人中であることを知る

 

そこからいろんな話をしているうちに
彼が読書家であることを知った

自分は中高時代はほとんど本は読まず
高2の終わりころに出会った物理の本から、読書に興味を持ち始めていたくらい

まだ小説もほとんど読んだことのないような状況だったのがだが
彼と書店に行くとエンタメコーナーだろうと文学コーナーだろうと

友人
友人
あーあれ読んだなー懐かしい

これも面白いよ

あっ〇〇の新刊がでてる、買おう!

この人の作品が出たら買うのはもはや使命みたいなもんなんだよね

こんな調子なのだ

とぅーん
とぅーん
めっっっちゃ本読んでるじゃん!

すっっげーーーー

こんなことを思った

 

そこであまり小説とかを読んでいない自分にオススメの小説はないか?と聞いてみたのだ

そこで紹介されたのが

『砂の女』安部公房
『クリムゾンの迷宮』貴志祐介
『クラインの壺』岡嶋二人
『姑獲鳥の夏』京極夏彦
『新釈 走れメロス』森見登美彦

 

 

 

 

 

 

今だからわかるが

とぅーん
とぅーん
ちょっと趣味全開すぎませんかーーーーーーーー

本当に玄人読書好きに受けそうなラインナップだなと思う

変に読みやすさとかそういうのではなくて
自分が本当に好きな作品を教えてくれたんだなと思う

もしかしたら『舟を編む』とかも彼に紹介してもらったのかもしれないが
この5作品が特に印象的だった

その後に話していても
これら5作品の著者の話はよく出てくる

 

この出会いもあって自分は小説読書の世界に入っていく

 

フィクションで人が死ぬことの意義

実はこっちに関してはどんな話をしたのかは覚えていないんだけど

その話やその後自分なりにいろいろ考えて自分なりに腑に落ちている考えとしては

 

「フィクションでなくても世の中に必死に生きている人たちはたくさんいるけど、中々それを身近に体験することはできない。日常いろいろなことに忙殺されていて見えなくなっているものを、余計なものを排除して見せてくれるのがフィクション。人間バカだから、目の前に“死”を見せつけてくれないと“生”のありがたさをすぐに忘れてしまう。だからそんなバカな自分を受け入れて、フィクションが見せてくれる世界を受け止めていくことが今の自分にできること」

ひとまずこういうことで納得している

ベタな作品と飽きについて

とぅーん
とぅーん
なんか自分てベタな作品が好きな気がするんだよね

これってなんか自分が単純すぎるのかな?

友人
友人
あーそれね

もう3回なったことあるわ笑

実際、感動もののストーリーの構成ってシンデレラ型ってのがあって似てるんだよね

辛いことがあって、一旦上昇して、またもっと大きな辛いことがあって最後はハッピーエンドみたいなね

でもさ、構成が一緒だとしても、細部は全部違くて、それぞれの感動ってのも当然違うよね

だから気にしなくていいよ

まあそれでも一旦ベタから離れたくなったらミステリでもSFでもホラーでも読んでみればいい

でもベタが好きな人は結局ベタに帰ってくるよ、安心しな

とぅーん
とぅーん
惚れた

まずすでに大量の小説を読んでいるということ
だからこそ「3回なった」とくるわけである

さらに、自分でも小説を書くということもあって、一つ一つの言葉の選び方や文のつなげ方など細部がいかに大切かっていうことを彼は知っていたのだ

これでめちゃくちゃすっきりした

 

もういっこ

とぅーん
とぅーん
すっごい好きで何度もみたいんだけどさ、もしこれで飽きてしまったらと思うと、その自分が怖い
友人
友人
そうねー

確かに同じ媒体で繰り返し見るのは飽きちゃうかもしれないから多少は時間空けた方がいいかもしれない

あとは映画→小説→映画とかにするといいんじゃない?

そうしたら毎回見え方変わると思うよ

とぅーん
とぅーん
惚れた(part2)

すごいなー本当に

どっちも経験済みって感じの達観ぶりと具体的なその解決策の提示
これも大量の小説を読んできた経験と心の豊かさ、さらに書き手としての視点も持っている彼だからこそなんだろうなっていうのを強く感じた

まとめ

どうだったでしょうか?
ただの自分と友人の会話の垂れ流しですが

かなり印象的な会話だったので(実際この会話をしたのは1年くらい前なのにこうやって思い出してかけるくらい)紹介させていただきました

1冊の本を読んで受けた印象などをどんな方と共有しているのでしょうか?
こうやって話を聞いてくれる人がいるってのは本当にありがたいですね

 

ここまで読んでいただきありがとうございまいした

 

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