小説

【感想】『舟を編む』三浦しをん|文章のプロによる言葉のプロ達の青春物語

 

2012年の 第9回本屋大賞大賞は

三浦しをんさんの『舟を編む』

冒頭文

 荒木公平の人生はーーー人生というのがおおげさであるならば会社人生はーーー、辞書に捧げられてきたと言っても過言ではない。
荒木は幼いころから言葉に興味があった。
たとえば、犬。そこにいるのに、いぬ。はは、おかし。いまだったら女性社員から、「荒木さん、オヤジギャクはやめていただけますか」と言われてしまいそうなことを、子どものくせに思いついては愉快な気持ちになっていた。
犬は、動物の犬だけを意味する単語ではない。

辞書編集を舞台とした青春小説
大好きな小説!!

『舟を編む』の著者、三浦しをんさんについて

三浦しをんさんの本屋大賞ノミネート歴としては

2005年 第2回
『わたしが語りはじめた彼は』
2007年 第4回
『風が強く吹いている』
2010年 第7回
『神去なあなあ日常』

2012年 第9回
【本作で大賞受賞】

2019年 第16回
『愛なき世界』

本作もいれて実に5回ノミネート

の人気作家さん

『風が強く吹いている』
『神去なあなあ日常』
を読んだが
この2作も
『舟を編む』も

登場人物が魅力的で
ワクワクするような青春小説

 

読後、とても晴れ晴れと
爽やかな気持ちになれる

 

『風が強く吹いている』
の内容紹介の言葉を借りると
”純度100%の青春小説”

 

それぞれ
駅伝、林業、辞書
をテーマとしているが

どれもその取材力に裏打ちされた
細かい記述も魅力の1つ

2006年に
『まほろ駅前多田便利軒』
直木賞も受賞している

これはまだ読めていない><

『舟を編む』の推しポイント

あらすじはこちら

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説。

 

“文章のプロ”である
「作家」の三浦しをんさんが

“言葉のプロ”である
「辞書編集者」について描いたこの作品

もうこのテーマからして魅力的

登場人物から溢れ出る

辞書づくりへの熱い想い

言葉への熱い想い

には心を打たれっぱなし

これはやはり
三浦しおんさん本人の
言葉、文章への熱い想いの表れ
なのだと思うし

 

辞書編集者から直接取材をして
現場の声を反映できる
取材力、人間性
があるからこそ心に響くのだろう

そして解説にもかかれているのだが

これらの思い、事実を登場人物にのせて表現できる
三浦しをんさんの表現力のなせる技
であるのだろう

解説引用させてもらうと

『舟を編む』がベストセラーとなった理由は、テーマが辞典だからというだけでは、もちろんないだろう。弱く欠点をもった、しかし魅力に満ちた人々が愛情とユーモアを持って描かれ、読者はその誰かに自らを投影できるのではないか。

実際、主人公である馬締光也は
名字が表すとおり”真面目”そのもの

その
“真面目”な馬締を支える
魅力的な人々

が織りなす物語

 

『舟を編む』で言葉の海を旅しよう

すっごくいい本

言葉の海を旅するために
舟を一緒に編みましょう!!

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