雑記

ゴッホ展を10倍楽しむ方法、学ぶ絵画鑑賞入門

 

フィンセント・ファン・ゴッホ

日本人ならだれもが知っているであろう画家

 

そんなゴッホの展覧会が
2019.10.11-2020.1.13まで上野の森美術館
2020.1.25-2020.3.29まで兵庫県立美術館で開催されている

入場料は上野だと
大人      1800円
大学生ー高校生 1600円

音声ガイドは600円で
女優の杉咲花さんと、声優の小野賢章さんが務める

詳しくはゴッホ展公式ホームページ

 

絵画を見るとはどういうことか?

もし絵を描くであればその技術などを感じることもできる
美的間隔の優れた人なら、美しきものを見るという楽しみもある

 

でも自分はそんなタイプじゃない

 

これがゴッホの絵です!

なんて言われたら

とぅーん
とぅーん

なるほど~

たしかに、なんか鬼気迫るような迫力がありますね

まあおそらくこうなる

そんな人間(まぐろ)が絵画を楽しむにはどうすればいいか?

そう、知識を身に着けていくのだ!

 

それなら別にいかなくてもよくね?
とぅーん
とぅーん
やっぱり知りたいじゃん!

文化わかってる人、みたいになりたいじゃん!

 

似たような思いを抱える方にむけて
美術展を、1つの学びの場として楽しむ方法をご紹介!

 

大切なのは予習!

 

絵画入門にゴッホは最適

絵画の世界を知っていくのにゴッホは最適

ゴッホは短く、狂気にとりつかれ、自殺してしまうことや
生きているときは全く評価されなかった
などといったストーリーも魅力の1つだが

ゴッホを知るときのキーワードが
ハーグ派、印象派、弟テオとの手紙

今回のゴッホ展もこの3つをキーに構成されている

ハーグ派

ゴッホの生まれはオランダであり
ゴッホが画家としての活動のはじめには、オランダのハーグ派と呼ばれる一派の影響を大きく受けている

現在有名になっている作品は主にフランスで書かれたものであるが
フランスに来る前の、ゴッホにとっての修行期間のようなものをオランダで過ごしている

ハーグ派や、オランダの絵画について詳しく知らなくてもいいのだが
宗教画と印象派がすごく明るい色彩なのに対して
ハーグ派の画家は色合いが暗く、灰色派とも呼ばれる

ゴッホを通して、印象派だけでなく、このオランダ絵画の一端、明るくない絵画、というものに触れられる

印象派

ゴッホ自身は印象派ではなく、ポスト印象派と呼ばれるのだが

印象派の影響を大きく受けている

 

1800年頃にイギリスで産業革命が起き、フランスでフランス革命が起きたあと
1872年の、モネの「印象 日の出」から始まると言われる印象派

 

当時印象派というのは受け入れられないものだった
なぜなら絵画というのは貴族のためのものであり、肖像画や宗教画、歴史画をかくものだったから

そんな世の中に対して、風景画や静物画という題材を選び
従来とは違う描き方で描いた一派

それが印象派

風景がかけるようになった背景には
カメラの発明や、チューブ絵の具の発明なども影響している
ここらへんも時代を感じられて面白い

宗教画は、読む絵画ともいわれ、ある程度知識がないと見てもよくわからないことが多い
一方、印象派が描いているのは風景

なので非常に馴染みやすい

印象派をみながら、これが当時異質であったと感じることまで含めて
印象派を楽しむと、ルネサンス期の絵画に触れていくきっかけとできる

 

さらに、印象派は日本の浮世絵の影響も受けている
ゴッホも浮世絵の模写をしているほどだ

日本人でありながら、浮世絵というのも中々ちゃんと見たことがない人も多いだろう
自分もそうだ

なんと2019.11.19-2020.1.19まで
江戸東京博物館で大浮世絵展もやっている

ここまでつなげていくとより楽しい

 

弟テオとの手紙

ゴッホは生前、ほとんど絵が売れなかった

それでも画家として活動できたのはなぜか

その理由が弟のテオの存在である

兄にあこがれ、兄の才能を信じ、資金も含めあらゆる面でサポートし続けたテオ

 

そんなテオとゴッホはずっと手紙のやり取りをしていた
手紙の中でゴッホは、何を表現したいのか、何に挑戦したいのか

そういったことを色々と書き残している

これだけ文で思考を語ってくれている画家というのは少ないのではないだろうか?

ゴッホの思いを知りながら絵が味わえるというのも
見て学ぶ絵画鑑賞、という視点にたつと大変ありがたい

今回のゴッホ展の中でも、手紙がたくさん紹介されている

より深く知るための事前知識入手方法

YouTubeの動画で知る印象派とゴッホ

ゴッホは人気の画家ということもあって
ゴッホについての資料などは色々ある

2019.11.8から
『永遠の門 ゴッホの見た世界』

という映画もやっている
これはまだ見ていないのでなんとも言えないのだが

 

YouTubeでは、オリラジあっちゃんが動画で解説してくれている

 

あっちゃんの動画は本当におもしろくてわかりやすい

前編では「印象派とはどういうものなのか?」ということをかいせつしてくれている
後編でゴッホについて

ぜひぜひ見ていただきたい

前後編合わせて60分あるが
自分は見るときは1.5倍速でみてるのでそれでみれば40分

 

小説で知るゴッホの生涯

ゴッホとテオのフランスでの人生をとことん味わうのに最高なのが

原田マハさんの小説
『たゆたえども沈まず』

 

絵画への造詣が深い原田マハさんは
他にも絵画にまつわる小説をたくさん書いている

 

その生き様、も魅力の1つであるゴッホについて知るにあたって
やはり小説で味わうというのは格別の楽しみである

 

表紙の作品は、最晩年の『星月夜』
今回の展覧会のメインで飾られているのは『糸杉』で『星月夜』はないのであしからず

前者は夜の糸杉で、後者は昼の糸杉

 

 

本で知る印象派と絵画の歴史

あっちゃん動画前編でも紹介してくれているが

さらに知識を深めようと思うなら

『印象派で「近代」を読む』中野京子

印象派の時代背景なども含めて説明してくれる本

 

 

 

そして印象派から絵画に興味をもち
より広く絵画の歴史を知るのに良い本が

『西洋美術史』木村泰司

ルネサンス期のことや、オランダ絵画のことなど
絵画全体の歴史を俯瞰することができる

 

 

とぅーん
とぅーん
動画→小説→小説以外の本

こんなかんじでいきたいところまで理解をふかめながらいくと

より楽しくなると思います!動画は誰でも入りやすいと思うので特におすすめです

そして、個人的には『たゆたえども沈まず』もすごく好き

当日の楽しみ方

音声ガイド

音声ガイド600円

大人の入場料と合わせると2400円するが

学ぶ絵画鑑賞、という観点で言うと
やはり音声ガイドはあったほうがいいとは思う

今回書いているハーグ派の話とかは
『西洋美術史』や以前行った「フェルメール展」でほんの少し知っていたが
音声ガイドで知ったことも多い

誰と行くか

もともと一人で行く予定だったのだが
今回は『たゆたえども沈まず』を読んだ方といかせてもらった

一人は一人でのんびり自由に見れるから楽しいのだが

もし『たゆたえども沈まず』を読んだ方は、同じく読んだ方と行くとこれまた楽しくなる

あっちゃんの動画を見たなら、同じくあっちゃん動画を見た人と行くのも楽しいだろう

逆に、全然印象派とかゴッホとか知らない人といって、色々説明しながら行くのも楽しいかもしれないし
逆にすごく絵画に詳しい人と言って説明してもらいながら行くのも楽しいだろう

「見て、感じる」のではなくて、「学んで、見て、感じて、学ぶ」そんな絵画鑑賞

 

実際に見る意味

どんな絵なのかというのは
いまやネットで調べれば見れる

というか公式HPで全部見れる

それでも本物を見る意味ってのは

1つは大きさ
そしてもう1つは油絵ならではの見た目

印象派は小さめの絵も多いが
今回の目玉作品『糸杉』なんかは非常に大きい

そして油絵ならではの立体感とツヤツヤ感

絵の具を多重にぬって表面が立体的になっている、大きな絵
というのは迫力があるし、2次元になった状態で見るのとは随分印象が違う

 

あとはやはり
時の流れに合わせて、手紙や他の画家の絵画も紹介しながら展示してくれている
というのが、こういったテーマがはっきり決まっている絵画展の面白いところ

 

注意点

ゴッホと言えば有名なのは「ひまわり」だろうが
今回「ひまわり」の展示はない

ただ実は「ひまわり」は1作品ではなくて、その中の1作をを常設展示している美術館がある
それが損保ジャパン日本興亜美術館

2019.9.30-2020.2.14は、移転準備のため休館しているので注意!

 

あっちゃん動画で紹介されている晩年の、夜を描いた作品もほとんどない

なんの絵が飾られているかは公式HPで見れるので、気になる人は確認してからがいい

まとめ

  • ゴッホを通して、オランダ絵画と印象派、両方をしるきっかけとなる
  • ゴッホは手紙をたくさん残してくれているのでストーリーがわかりやすい
  • 動画や小説、映画など関連作品も充実している
  • 話しながら見るのも楽しい

 

『西洋美術史』以外は、「ゴッホ展にいこう!」てなった1ヶ月間くらいでやったこと
『西洋美術史』も、前回フェルメール展に行こう!てなったときに読んだもの

こんなかんじで、美術館行くごとに、それきっかけですこしずつでも知識を入れて
美術館に何回か行くと、より絵画の世界というものがわかってきて
楽しめると思います!

 

ここまで読んでいただきありがとうございました

 

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