ビジネス書書評

【書評】『ビッグ・ピボット』A.S.アンドリュー|社会価値と経済価値を共存させる企業のあり方

昨今、スターバックス、マクドナルド、ガストなどなど
飲食メーカーが続々とプラスチックストローの廃止を宣言した

「暑い・足りない・隠せない」
そんな世の中で、企業は大きな変革を迫られている

企業の中に地球の資源があるのではなく
地球という環境の中で企業が、人々が生活しているということを内省しなければいけない

本書ではこれからの企業に求められていること
=「地球という資源を守りながら持続可能な発展を続ける」
を実現するための考え方、実践例、実践方法が書かていいる

ピボットとは方向転換を表すような語句だ
バスケの軸足を固定したまま回転する技術の名前でもある

こんな人におすすめ

環境と企業の関係について知りたい人

経営に関係する人、興味のある人

 

経営に深く関わっていない人にとっては
持続可能な企業となるための考え方や、実践例を知る本としては良いが
実践方法の部分はいまいち自分ごととして感じられない部分も多い

かなり実践方法の部分に力を入れていて、その結果分厚くなってしまっているので
誰にでもオススメとは言えない本ではある

ただ、環境と企業の関係や考え方を知っておくことは非常に有意義だと思うので
その一部を紹介しようと思う

 

環境問題の現状

 

現在2019年の世界人口は77億人、それが2030年の85億人、さらに2050年には97億人になると予想されている
国際連合:世界人口推計2019年版:要旨

いままでのように企業が生産活動を続けた場合
地球の温暖化はすすみ、水や化石燃料は足りなくなる

とぅーん
とぅーん
地球温暖化を食い止めるには何が必要なの?

PwCは、温暖化を二℃以内にとどめるためには、我々は、至極単純な一つの目標ーグローバルの炭素強度(GDP1ドルあたりの炭素排出量)を、毎年六パーセントずつ二一〇〇年まで減らし続けるーを追求する必要がある、としている。これは、現在の削減ペースの九倍の速度を意味する。

生半可な覚悟では実現できそうもない数字だ

水や資源も不足していく

これは一企業、一政府でなしとげられることではない
全員が協力して取り組むしかない

さて、しかし企業が環境に配慮すると利益率が低下してしまうのではないだろうか?
果たしてそれは企業がやるべきことなのか?

それについてを次章で

・地球温暖化や水不足、資源不足について改めて調べる

・個人でできる環境対策を行う

 

CSV戦略の有用性

2011年、経営学の大家、マイケル・ポーター教授等によって
CSVとうい考えが提唱された

CSV: Creating Shared Value(共創価値の想像)
営利企業が経済的価値と社会的価値をともに追求していこうという考えだ

とぅーん
とぅーん
経済的価値と社会的価値って両立するんですか?

社会価値を経済価値にいかに結び付けるかが、CSVの実践に向けて残された大きな課題である。

 

そもそも企業とは何か?
「Wikipedia」さんにきいてみると
「企業(きぎょう、英: business)とは、営利を目的として一定の計画に従って経済活動を行う経済主体(経済単位)である。社会的企業を区別するために営利企業とも言う。」wikipedia 企業

であるわけだが
この社会価値の追求と経済価値の追求を同時にしようよ!

てのがCSVの考えた

こららを同時に追求しようとする、そしてそれができるのには2つの理由がある

  1. 暑い、足りない世界で持続可能な活動をするため
  2. 隠せない世の中で顧客や従業員の支持を得るため

 

暑い、足りない世界での持続可能性

暑くなって、異常気象などが起きてしまえばダイレクトに企業の収益にダメージを与える

気候的に暮らしやすい地球を維持するのは
企業の生産活動とかいう以前の問題だ

あらかじめ、自然にやさしい企業をつくっておくと
今後、国や世界の要請で排出量の規制がされたとしても
ダメージをうけずにすむ

対策していなかった企業が対応にあわてているうちに
一気に市場シェアを奪うことも可能かもしれない

 

足りなくなるものといえば水や化石燃料などの資源だ
足りなくなっていったら価格があがる
それは収益に対して大きなダメージを与える

使う資源を減らすための投資は
短期的にみれば損をするかもしれない

ただ、もっと時間的にも空間的にも大きなスケールでみた時に
選ぶべき選択はどちらか?は明らかだろう

そしてそれに気づいた企業達はすでに動き出している
ユニリーバ、ジョンソンアンドジョンソン、コカコーラ、スターバックス、ナイキ、プーマ
などなど
そしてすでに社会価値と経済価値両方を実現している

それぞれの企業がどのような取り組みをしたか
そしてどのような成果をおさめたかもたっぷりと書いてある

 

隠せない世界での企業としての価値を高めるために

資本主義は今まで生産活動を盛り上げ世の中を豊かにしてきた
とても強力な仕組みだ

ただし、完璧とは程遠い

完璧でない理由として4半期ごとの成果にとらわれすぎてしまうことがある

問題はその期間の短さと測る尺度だ

環境問題を考えるには3ヶ月というのはあまりに短すぎる
環境問題に限ったことではないが短期的なものにとらわれすぎて、長期的な計画をすすめづらいことが今の資本主義の弱点である

そしてもう1つが測る尺度

例えばエコな製品をつくったとしても企業の成績として数値化することができない
自然災害に備えるための投資は、例え未然に1億の損害を不正だとしても、+1億の成果としては計算されない

隠せない世の中では
「環境に優しい企業をつくります」といくら口でいっても行動が伴わなければばれてしまう
逆に実際に環境に優しい活動をしていればそれはそれで伝わる

そしてそのような姿勢に共感して優秀な人材が集まってくる

ただし「優秀な人材を集めるための企業の魅力」という指標は現在の会計システムにはない

このように持続可能な企業づくりへの投資の費用対効果が測りづらいというのが問題点

最初のエコな製品を作っても収益に反映されないという点の対策としては
炭素税など政府の協力などがある

環境への配慮をどの程度しているのかということを集計して公開してくれる企業というものがでてきた
会計システムにはのらなくても企業のイメージアップにつながりやすい仕組みというものができてきている

他にも今まで数値化できていない価値を数値化しようという試みが各所で行われだしている

隠せない社会は
企業が提供する”価値”という概念を
大きく変える力を持っている

・自分の会社、あるいは株をもっている会社、興味がある会社の環境への取り組みについて調べる

 

持続可能な企業のための3つのポイント

とぅーん
とぅーん
持続可能な企業をつくるためのポイントはなんですか?

ビッグ・ピボットの考え方を支える、三つの全体に関する原則ーデカップリング(切り離し)、リジェネレーション(ゼロ、そしてその先をいく再生産)そしてサーキュラー(循環的)ーについて少し述べてみたいと思う。

 

デカップリング(切り離し)

ビジネスの成長と原料の使用を切り離すことが最初の課題だ

「たくさん作ってたくさん売る」
この考え方から脱却しなければいけない

そのままではいずれ頭打ちにあう

リジェネレーション(ゼロ、そしてその先をいく再生産)

ゴミをゼロにする

これがスタート地点

そしてさらにそのゴミを価値あるものとして生まれ変わらせる

これがリジェネレーション

使用量より大きな電力を生み出す住宅や生分解性で土に踏めて肥料となるシューズなど

 

サーキュラー(循環的)

リジェネレーションとややかぶるが

リサイクルやリユースによってもう一度売る方法だ

シェアリングも広く捉えるとここに属する

サーキュラ―にすることはたくさん作ってたくさん売るとは相容れない部分も多い
サーキュラーを目指すには企業が提供する価値を再定義する必要が出てくる

 

・まずは個人がだすゴミをへらす

 

 

まとめ

  • 生半可な覚悟では対応できないほどに環境問題は深刻である
  • 暑い、足りない、隠せない世の中では持続可能になるための社会価値が経済価値と共存することができる
  • 持続可能な世の中をつくるには、デカップリング、リジェネレーション、サーキュラーが大切

 

最初にも述べたように
本書では実践例や実践方法などが具体的にたくさんのっているが
この記事では、その根本的な考え方の部分について書いてみました

経営に関わってはいない人が世の中を眺めるためのヒントになりそうなことを中心に書いてきました

実践例や実践方法を知りたい方は手にとって読んでみてはいかがでしょうか

ここまでよんでいただきありがとうございました