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【ビジネス書】『嫌われる勇気』岸見一郎 古賀史健

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『嫌われる勇気』
岸見一郎 古賀史健

対話形式で”わかりやすいアドラー心理学の入門書”

2013年に出版され話題になり
2017年にドラマ化もした本

アドラーは日本ではあまり知られていなかったが
ユング、フロイトと並ぶ三大巨頭の一人
この本で今では知っている人も増えてきている

哲人と青年の対話で構成されていて
疑問に思う、信じられないことなどは
青年が質問してくれるという構成がわかりやすい

ただ対話形式ならわかりやすいってわけでもなくて
他の人が疑問に思うであろうことを分析した上で
書かれているというのがわかりやすさの秘訣

 

この本の中でも触れられているが
『7つの習慣』に通じる内容も多い

特に第一の習慣である「主体的である」と
全体の構成としての自立からの相互依存
という流れはほぼ同じ

実際の生きた順番からすれば
アドラーの影響をコーヴィーさんが
受けていたということになるだろう

『7つの習慣』の方がより行動などが具体的なので
合わせて読むことで両方の理解が深まって良い

テーマは大きく4つ

・目的論と原因論

・課題の分離

・人生のタスク

・幸せ=貢献

一つずつ紹介してく

目的論と原因論

アドラー心理学では
人が今現在置かれている状況というのは
不満に思っているとしても

過去からつながる何かしらの原因があるのではなく
ある目的のために自分で選んだものである

という
これが原因論ではなく目的論

ここはちょっと厳しい内容ではあるし
具体例は本書の中の物を読むのが良いと思うのだが

「何かができない」って時は
環境とか能力のせい
ましてや他の誰かのせいではなく

そういう現状を変える勇気がないから
言い訳をしているだけ

「リスクをとることを避ける」
という目的のために
言い訳として原因を作り上げているだけ

という話

まあざっくりすぎるまとめ方をすれば
言い訳するな!
てことなんだけど
本読めばもうちょっと深く知れる

課題の分離

7つの習慣の言葉で言うと

「関心の輪ではなく
影響の輪に集中せよ」

自分が影響を与えられない
自分ではどうしようもないことを気にしても
何もいいことはない

例えば劣等感

われわれを苦しめる劣等感は「客観的な事実」ではなく、「主観的な解釈」

別に劣等感を感じることが悪いわけではない

劣等感を成長の促進剤として使えるなら素晴らしい

ただ劣等感を感じたとしても相手が何か変わることはないし
ましてや劣等感を言い訳にして行動をしない理由にしても
何もいいことはない

では自分が影響を与えられることは何かというと
やはり自分の行動

そうなってくると結局比較する相手は他人ではなく
理想の自分になる

他人と比較するのではなく
理想の自分と比較する
あるいは今日の自分に注目する

行動した結果変わった自分に着目する
こんなことができるようになって理想の自分に近づいた
今日はこんないいことがあった

 

こう思えるようになれば
ずいぶんメンタルは楽になるだろう

だらっとした1日を過ごしたとしても
その日あったいいことい注目してみるといい
そんなにストイックになる必要もない

人に好かれるかどうかとかも
最終的には相手の気持ちの話なので
自分でどうにかできる事ではない

相手の気持ちを直接変える事はできない
だからその相手に対してイライラしたりするのではなく
自分のできることに注目する

満員電車にイライラしている人とかもそう
というかイライラってのはだいたいそういう感じかな
文句を言ったり誰かのせいにするのではなく
その中で自分ができる事は何なのか?
てことを問う習慣が大切

他人や
自分では影響の与えられない何か
を気にするのではなく
今日1日の良かった事
あるいは理想の自分に近づいた自分に注目する

これは結構自分が日頃から意識している事

人生のタスク

人生の悩みは、すべて対人関係の悩みである

こう説くアドラー心理学では
競争ではなく人々は仲間であると思うために
対人関係を「人生のタスク」呼び
以下の3つに分けている

  • 仕事のタスク
  • 交友のタスク
  • 愛のタスク

正直なぜタスクっていう言葉を使ったのか不明だし
分類してだから何?
てなる面もあるのだが

なんとなく質の違うものとして認識しておくことは
いいことかもしれないので
一つ目の仕事のタスク(対人関係)から見ていく

距離と深さという観点から考えると仕事の対人関係はもっともハードルが低いといめます。仕事の対人関係は、成果というわかりやすい共通の目標があるので、少しくらいは気が合わなくても協力できるし、協力せざるをえないところがあります。

一番ハードルが低いとはいえ
確かに仕事での悩みはほぼ全部人間関係だよな
と思う

次に交友のタスク

仕事のような強制力が働かないだけに、踏み出すのも深めるのもむずかしい関係になります。

交友のタスクはかなり広いけどこんな感じ
友人との人間関係

で最後に愛のタスク

ここは2つの段階に分かれると考えてください。ひとつは、いわゆる恋愛関係ですね。そしてもうひとつが家族との関係、特に親子関係になります。

親子と恋愛は距離も近く、関係も深いので難しい

そしてそれぞれのタスクから逃げてはいけない
と繋がっていく

 

この交友関係において大切なのが
縦ではなく横のつながりにすること

アドラー心理学ではあらゆる「縦の関係」を否定し、すべての対人関係を「横の関係」にすることを提唱しています。

そのための行動や心構えがいろいろ紹介されているのが
そのうち一部にふれておく

すぐに同意はできないが
「褒める」は評価のニュアンンスが入っているので
横の関係を築くには適さないとして
禁止されている

褒める代わりに
感謝や尊敬、喜びが出てくるのが
横の関係らしい

「他者の期待を満たすために生きるわけでははない」

相手がどう動く、どう評価するかは置いておいて
「相手を無条件に信頼し、自分の信じる最善を選ぶ」

これには概ね同意

他者の評価を気にしないという意味で
承認欲求も否定している

共同体感覚とかいう言葉も出てくるのだが省略

あらゆる関係を横の関係にして
他者を信頼する

仕事・交友・愛のそれぞれで
考え方は多少違ってくる

てのがここの内容

 

幸せ=貢献

「幸福とは、貢献感である」。それが幸福の定義です。

ここでちょっとポイントが
「貢献」ではなく「貢献”感”」だということ

つまり「わたしは誰かの役に立っている」と実感できていればいい
それを他者に承認してもらう必要はない

結局実感するためには
「ありがとう」などの言葉が必要にはなってくると思うのだが
(最近自分も挨拶と「ありがとう」が人間関係の全てなんじゃないのか
とか思い出している)
極論言うと貢献していると思い込めばいい
いわゆる自己満足でもいい

これにも概ね同意

 

アドラーは「一般的な人生の意味はない」と語ったあと、こう続けていまう。「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」と。

自分はどういう貢献がしたいか
どいういう貢献ができるか
どういう時に貢献できたと感じるか
これを考えると
自分の人生の意味が見えてくる

ということで
人生のタスクの内容とも合わせて

他人からの評価や承認を気にするのではなく

貢献感を感じられるように生きる

これがアドラー流の幸福な生き方

まとめ

  • 言い訳禁止!責任転嫁しない!
  • 関心の輪ではなく影響の輪に集中する
  • 悩みは全て人間関係 他人の評価や承認のために生きるのではなく他者を無条件で信頼し横の関係を築く
  • 「貢献感」を感じる人生が幸福な生き方

全ての人間関係を横の関係にする

他者の目や承認を気にせず
貢献感を得るために生きる

これはともすると自己中心的な生き方と
混同してしまいそうになります
本文でも青年がなんども言っていました

その混同には注意しつつ
アドラー流の生き方を
(7つの習慣的生き方を)
歩んでいこうと思います

仕事では社会や社内の人取引先
プライベートでは友人
そして家族

それぞれに対して
できる貢献をしていく

とりあえずこれが自分のToDo

長文読んでいただきありがとうございました