2019年、令和元年
『サラバ!』西加奈子
から
『キッチン』吉本ばなな
まで全61冊、49作品の作品を楽しんだ
この中でも、特に自分が好きだった8作品をご紹介
自分の好きな小説の傾向をいうと
- 本屋大賞作品など、エンタメ系の作品
- 素敵な人たちがたくさん出てくるような話
- 青春小説と言われるようなジャンル
一方、静かな優しい作品や恋愛系、文学作品はそれほど好んでは読まない
また、シリーズ物とかだと完結していない感じがしてしまうのでちょっと評価が下がり気味
順番は読んだ順で!
『みをつくし料理帖』高田郁
過去にドラマ化もされていて
2020年の映画公開も決まった作品
舞台は江戸、
大坂で両親を失った澪(みお)は単身江戸に渡ってくる
大坂と江戸での、味覚の違いに悪戦苦闘しながらも
料理の世界で江戸内でも評価を得ていく
その才能を羨む人たちの妨害にあいながら
めげずに澪は戦い続ける
澪を支えてくれる登場人物も魅力的で
ご飯もおいしそう
江戸の雰囲気も感じながらよめる
シリーズ物の時代小説の第1巻
まだこれでシリーズ第1巻
続きが読みたい1冊
『麦元三歩の好きなもの』住野よる
『君の膵臓をたべたい』の著者、住野よるさんの2019年の新作
図書館勤務の20代女子、おっちょこちょいな麦本三歩の日常を描いた短編集
三歩の不思議が言動には、笑わさせてもらうことだらけ
ただ、ほのぼの日常短編とは一味違う
時々、三歩は核心をついたような発言をしてきて
「ハッ」とさせられる
住野よるさんが、書きたいから書いたという作品
三歩以外の本は読者さんに楽しんでもらえればいいなと思って書いてるけど、三歩だけは僕が楽しければいいと思って書いてる。ごめんね。
— 住野よる (@978434403435_8) December 5, 2019
続編が楽しみ!!
『太陽の子』灰谷健次郎
沖縄から疎開してきた夫婦の子供、神戸生まれのふうちゃん
父の病気がきっかけで、「沖縄と戦争」に興味を持つ
周りの大人は、戦争のことを見せようとはしないが
ふうちゃんは戦争と死というものに真剣に向き合う
戦争や死とは何なのか、本当に優しい人やいい人っていうのはどういう人なのか
人と共に生きるとはどういうことなのか
吐き気をもよおしながら、悩みに悩みながら
それでも決して目をそむけようとはしないふうちゃんに心打たれる
エンタメが好きな自分に、メッセージ性で一番響いた作品
『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ
2019年本屋大賞
優子には3人の父親と2人の父親がいる
この設定からすると、「血もつながっていないのに、親みたいな顔するな!」
みたいな展開をついつい想定してしまう
でもぜんぜん違う
優子にとって、5人は5人それぞれで、それぞれからの愛を感じている
すごく達観した、冷静な優子
そして、優子の親役としては登場時間が長いのが
父の森宮さん
どこか世間の常識から外れた、とぼけた面をもつ
そんな森宮さんと優子の会話は噛み合っているのか噛み合っていないのか
どちらが子でどちらが親なのかと思ってしまうような面白さがある
でも、そんな二人にもやっぱり時々ちょっとかべがあったりする
そこらへんの絶妙な距離感もえがきだしつつ
血がつながっていない家族をとおして
「家族愛」を伝えてくれる
そんな中、母は言う「いい本だったね、親からすると当たり前だけど笑 子供が読んでどう感じるのかな?」
『屍人荘の殺人』今村昌弘
デビュー作にしてミステリの賞で4冠を達成した作品
2019年に映画化もした(2019年12月現在、絶賛公開中)
クローズドサークルものの本格ミステリ
まずどうやってクローズドにするのか
ここが面白い
そして、最初から驚きの展開
本格ミステリとなると、トリックが重視され
他が疎かになることもあるが
この本は登場人物も魅力的で
スピード感もあって飽きさせない
それでいて、途中でその時点でわかっていることを整理してくれる
ミステリをあまり読まない自分のような人間でも
作品として楽しみつつ、ミステリの楽しさも味わえる作品
映画は、浜辺美波がでてるのでいってきました!
Twitter募集で作ってみた、読んでおきたいミステリリストがこちら
『海賊とよばれた男』百田尚樹
『永遠の0』の著者、百田さんによる
出光興産創業者を主人公とした時代青春小説
2013年本屋大賞作品
石油がなくて戦争を初めた日本は
敗戦後も石油に苦しめられる
海外の石油企業に、日本の企業もどんどん取り込まれる中
出光興産創業者、鐵造は家族である会社の仲間達とともに奮闘
どんなに辛い経営状態でも、決してクビにはしない
そしてどんなにつらい状態でもついていきたいと思わせてくれる
そういうエネルギーを常に持ち続けた一人の男
時代小説でもあり、経営について知る本でもある
そんな今だからこそ読みたい本
『桜風堂ものがたり』村山早紀
主人公は書店員の月原一整
埋もれていた名作を見つけるのが得意な「宝探しの月原」とも呼ばれた月原は
どうしても売りたい1冊の本に出会う
しかし、ひょんなことで書店をやめざるを得ないことに
かねてよりネットでやりとりしていた
個人経営の書店員の元へ
書店員の視点から語られる本への深い深い愛を知り
改めて、本っていいなと思わせられる
自分にとって、本とはなんなのだろう
そんな問もしてみたくなる
AmazonなどECサイトの普及で
個人経営の書店というのはどんどんつぶれていっている
これは避けられない、しょうがないことだと思う
ただ、そんな中での書店員さんの思いに触れられるってのは
なんだかすごくありがたい本だった
『たゆたえども沈まず』原田マハ
ときは1800年代末
舞台はパリ
イギリスで産業革命が起こり
国内でフランス革命が起こった後の世界
絵画の世界では
宗教画や人物画こそが優れたものである
という従来の考え方に異を唱える「印象派」が表れ
世間の注目を集めていった
そんな時代、オランダに生まれた一人の天才画家
ゴッホ
37歳という短い生涯だったゴッホの有名な作品のほとんどは
晩年にパリで書かれている
ゴッホは何を思い、何を考え、何を描きたかったのだろうか
兄であるゴッホを支え続けたテオドロスはどんな思いを抱えていたのか
日本人画商、林忠正とゴッホと弟テオ
という実在の人物3人に加えて
加納重吉という架空の人物を加えて紡がれる
正解は知らないが当時のフランスを感じられるような雰囲気
そしてゴッホ、テオ、林忠正、加藤重吉の4人それぞれの思いを感じ
はかなくもあり、わくわくもする
包み込まれるような雰囲気がありました!
読んでいてとても心地よい
ゴッホについて小説だけではなくて
実際に絵画を見たり、印象派を知るともっと深く味わえる
まとめ
今年は自分で探して選ぶだけでなく
Twitterでおすすめしてもらった本を読んで
という機会も多く、それ故に出会えた作品もたくさんありました!
みなさんはどんな作品にであえましたでしょうか?
また、来年もたくさんの作品に出会えるといいですね
ここまで読んでいただきありがとうございました
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