人生100年時代
個の時代
グローバル化
と言われる世の中で働き方も多様になっている
特に日本だと、終身雇用の崩壊というのが
最近(もはや最近でもないか?)ニュースを賑わしている
特に日本で時価総額1位のトヨタが
「終身雇用難しい」という旨の発言をしたことが話題となった
年金2000万円不足問題と同じで、こんなことは
多少今の世の中のことを知れば容易に想像できるのだが
そうはいっても
影響力のある人がはっきりと発言する
ということで、より鮮明な危機意識となる
働き方について今一度考え直す必要が出てきている
日本型の雇用とはなにか?
これからの働き方はどうなっていくのか?
ということを
日本と海外(特にアメリカ、シリコンバレー)をデータも使いながら比較し、これからの働き方についての示唆をくれる本が
『働き方2.0 vs 4.0』橘玲
転職の方法とか、今いる会社でどう働くかとか、どうやってフリーになるかとかそういう即時的な効果は少ないかも知れないが
日本の雇用環境を客観的に知るための情報が
ふんだんに詰まっているので、「働き方を考える」という目的であれば是非この本をおすすめする
これからの働き方を考えたい
日本と世界の労働環境の違いを知りたい
『働き方2.0vs4.0』の概要
『働き方2.0vs4.0』は
「働き方の今」として日本と世界の雇用状況に対する満足度や、労働生産性、平均労働時間などのデータを紹介
その後
シリコンバレーのフリーランサーや、グーグルの人事制度を例に取り、今の先進的な働き方
終身雇用や戸籍制度といった日本の今
会社や管理職がこれからどうなっていくのか
これからの時代の仕事観
といった構成
ちなみにいくつかの雇用満足度調査があるが
その中でも日本は基本的にかなり下位
そもそも働き方2.0や4.0とは何かというと
働き方1.0 年功序列・終身雇用の日本型雇用
働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダート
働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
働き方4.0 フリーエージェント(ギグエコノミー)
働き方5.0 機械がすべての仕事を行なうユートピア/ディストピア
と定義している
冒頭でも述べたとおり
日本の雇用と、世界の雇用を比べることで
働き方や雇用体型というものについて考えることができる
ノウハウ本というよりは、知識本、参考資料と言う感覚のが近い
中でも
- 定年制・終身雇用・年功序列
- 日本人のムラ意識と労働観
- フリーエージェントと管理職
の3ポイントについてこの記事では取り上げる
日本型の雇用とは
日本型の雇用といえばまっさきに思い浮かぶのが年功序列、終身雇用
年次があがっていくにつれて、給料が上がっていき、
よほどのことをしなければ解雇はされず
定年まで勤め上げると退職金がもらえる
しかし、最近では60歳まで働いて退職して給料なしにすると老後の資金が持たないので65歳まで働く人も増えている
その際に、一度定年ということで退職した上で
再雇用という奇妙な形が取られることも多く
やる内容はかわらないのに再雇用で給料ががくっとさがる、なんてことも起きている
これはつまり、定年直前は生み出している価値以上に給与をもらっていたということを暗に宣告されているようなものである
定年制・年功序列・終身雇用
これらは密接につながっている
定年制がなくなれば年功序列も終身雇用も維持できなくなることが明らか
そもそも定年とは何かと考える
定年制だけを廃止し、年功序列と終身雇用を守ろうとしたらどうなるだろうか
定年がない状態で終身雇用って、死ぬまでってことになりかねない
もしそうすると、80歳とかまで勤めればとんでもない給与になってしまう
それでいて定年制がないので解雇できない
60歳で解雇できるから会社としてもぎりぎり年功序列を守れるし
会社員としてもとりあえず定年まで乗り切ろう、という意識になってしまう
なので、定年制・終身雇用・年功序列はセットなのだ
そしてこの3つのどこかをやめようとすると
あと数年で定年、という人達からの反発が大きくなる
会社としては対策として
非正規社員をたくさん雇っている
同じ内容の業務をしていても
正社員というだけで優遇される
色々なところで歪みが起きている
日本型と比較してイメージされやすいのが
アメリカ型雇用
成果報酬で、簡単に解雇もされるイメージが有る
定年制、終身雇用 ⇔ 緩和された解雇規制
年功序列 ⇔ 成果報酬
実際、定年は年齢差別として禁止されていて、英語圏の他の国々も追随しているという
定年での解雇はできないが、年齢を問わずいつでも解雇がしやすい状況になっている
もちろん、会社の都合で解雇する場合は、金銭面などのルールが厳格に定まっている
成果報酬や、解雇の規制の緩さ
これを厳しい労働環境と見るのか?
グローバススタンダードでは、こうした合理的に説明できる部分を調整したうえで、それでも残ったちがいが差別であり、解消されなければいけないと考えます。
アメリカのように人種の多い国では合理的に説明できる内容で評価する、という必要性が高まる
そうして残っていったのが成果だったと言うだけの話
競争を促し、サバイバルをさせる、というよりは
合理性を考えた結果たどり着いた結果
という考えの方が正しいのかも知れない
合理性の追求は時に残酷なこともあるかもしれないが
やりたくもないことをやり続けなければいけないと言うのもそれはそれで残酷
このように「単に終身雇用は終わり」というのではなく、世界の雇用体系などがたくさん紹介されている
・定年制・終身雇用・年功序列はセット
・合理的に説明できない違いを消していくと自然に定年はなくなる
あなたのお仕事は何ですか?
「あなたの仕事は何か?」
というよくある質問から
見えてくることがある
初対面の会話で「お仕事はなんですか?」と聞くのは世界共通です。この時日本人は会社名を答えるのがふつうですが、そうすると海外ではものすごく驚かれます。たとえば「トヨタで働いています」と答えたら、それはトヨタの工場で自動車の組み立てをやっているという意味になります。
日本以外では、仕事(プロフェッション)とは、「車のエンジンを設計している」「医薬品の広報をしている」など、自分の専門性のことです。
日本人はムラ意識が強く
何をしているかということ以上に、どこに所属しているか
ということを重視する傾向にある
個人より、集団の意識が強い
学校でも弱点補強中心であり
会社でもサラリーマンとひとくくりにされて
ジェネラリストが養成されていく
その結果、自分の専門性を述べる(professする)ことができない
つまり自分の仕事が何かを言うことができない
これ、考えたこともなかったけど仕事観についてのかなり大きなポイント!!
フリーランスと管理職
世界的に、組織に属さず働くフリーランサーはどんどん増えている
ただ、これは別に大企業がなくなって、フリーランサーが増えていくという流れをあらわしいるわけではない
デジタル・エコノミーでは、フリーエージェントと管理職がともに増えるのです。
この現象は、「ルーティーンワークのスキルに対する需要は大幅に減ったのにもかかわらず、調整、交渉、説得、社会的認識能力などの「ソーシャルスキル」に対する需要は高まった」からだと説明されます。
クリエイティブクラスとはその名の通り、何かを創造(クリエイト)するひとたちで、その典型がシリコンバレーで「世界を変えるイノベーション」を目指す若者たちです。それに対して会社の「管理職」は、彼ら/彼女たちの創造を手助けし、創造物の権利関係を定め、流通や配信、利用を管理し、収益を回収して分配するという仕事をしています。「管理職」は市場の潤滑油であり、その存在がなければどのような創造行為もたちまち行き詰まり、空中分解してしまうでしょう。
ブロガーが、クリエイターとして働けるのはGoogleというプラットフォームがあるから
エンジニアが、サービスを作って展開できるのもAppleやGoogleがあるから
YouTuberも、YouTubeというプラットフォームがあるからコンテンツを作って世に発信できる
企業が分解して行き、どんどん小さい単位に分解していくという流れではなく
企業が作るプラットフォームがあるからこそクリエイターは組織に属さずとも活躍できるし
クリエイターがコンテンツを作ってくれるからこそ
プラットフォーム企業を運営する管理職の人の仕事が生きてくる
そういったもちつもたれつの関係が加速し
管理職とクリエイターが増えていく
で、だから何?という話なのだが
申し訳ないが自分でも、「だから何なのだろう?」と考えて
ここで完全に筆が止まった。。。
兎にも角にも企業というものはこれからも存続するが
企業と個人の関係は
企業に個人が利用されるというよりは
企業を内側から利用する(管理職)、あるいは、
外側から利用する(クリエイター)
という関係性になっていくだろうとそんな感じだろうか
働き方2.0vs4.0
- 定年制、年功序列、終身雇用は密接に結びついている日本型の雇用スタイルでときほぐすのは難しいが、その歪みも大きくなっている
- 仕事はなんですか?という問いには、企業でなく職種で答える
- フリーランサーと管理職は持ちつ持たれつで増えていく
これからの時代はフリーランサーの時代だよ!
副業しようね!起業しようね!
みたいなことは教えてくれない
ただ、世の中の働き方の変化というものを紹介してくれる本
主体的に働き方を考えて行きたい方に是非オススメの1冊です
ここまで読んでいただきありがとうございました
これからの時代の生き方、働き方について考える本リスト
>> 令和時代を生きる人のための本5選