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人間と動物の違いは抽象化能力|抽象化の威力を知る本5選

人間と他の動物の違いはなにか?

言語を操ること?
文字をもっていること?
道具を使えること?
発達したい知性?

色々な意見があるが
そのなかの1つに抽象化能力がある

 

意思伝達という意味では言葉を扱う動物は多い

ただ、それを文字にして未来に伝えることができる生物はほとんどいない

この記事内で紹介する『サピエンス全史』に書いてあったが
実際に誰もみたことのない「神」のようなものを共通認識として共有できる

これが人間のもつ特徴
実際に見たことがないという、具体性の低いものを
概念のようなものに抽象化して共有している

 

例えば知性の発達を科学などの発展のことを指して言っているとするならば

その科学の発展の支えとなっている数学というのは、抽象化の最たるものである

一見関係ない事柄(具体)の中に潜む一般的な法則(抽象)を見つけるのが科学の研究のやり方であり、そのときに使うのが数学である

『具体と抽象』の中では

抽象化を利用して人間が編み出したものの代表例が「数」と「言葉」です。 (『具体と抽象』細谷功)

と書かれている

 

そういう意味では数と言葉を扱えることが人間の強みとも言える

 

道具も、繰り返される具体的な作業の本質を掴んだからこそ作れるもの

 

こんな方におすすめ

『メモの魔力』や『具体と抽象』を読んだ

思考力を鍛えたい

早く人間になりたい!

 

『具体と抽象』細谷功

まず抽象化とはなにか?

そこを知るために読みたい本が

『具体と抽象』細谷功

 

 

 

人間が頭を使って考える行為は、実はほとんどが何らかの形で「具体と抽象の往復」をしていることになります。つまり、「具体化」と「抽象化」が、人間しか持っていない頭脳活動の根本にあるということなのです。 (『具体と抽象』細谷功)

 

2000円くらい(Kindleなら1500円)と少し高いが
134pでコンパクトにまとまっている

134pの中でさらに20章にわかれている

 

【目次】
序章 抽象化なくして生きられない
第1章 数と言葉: 人間の頭はどこがすごいのか
第2章 デフォルメ: すぐれた物まねや似顔絵とは
第3章 精神世界と物理世界: 言葉には二つずつ意味がある
第4章 法則とパターン認識: 一を聞いて十を知る
第5章 関係性と構造: 図解の目的は何か
第6章 往復運動: たとえ話の成否は何で決まるか
第7章 相対的: 「おにぎり」は具体か抽象か
第8章 本質: 議論がかみ合わないのはなぜか
第9章 自由度: 「原作」を読むか「映画」で見るか
第10章 価値観: 「上流」と「下流」は世界が違う
第11章 量と質: 「分厚い資料」か「一枚の絵」か
第12章 二者択一と二項対立: そういうことを言ってるんじゃない?
第13章 ベクトル: 哲学、理念、コンセプトの役割とは
第14章 アナロジー: 「パクリ」と「アイデア」の違い
第15章 階層: かいつまんで話せるのはなぜか
第16章 バイアス: 「本末転倒」が起こるメカニズム
第17章 理想と現実: 実行に必要なのは何か
第18章 マジックミラー: 「下」からは「上」は見えない
第19章 一方通行: 一度手にしたら放せない
第20章 共通と相違: 抽象化を妨げるものは何か
終章 抽象化だけでは生きにくい

 

量と質、上流と下流、理想と現実など
よく対立で比較されるようなものをあげながら

それぞれを具体と抽象という観点で分析していく

ものごとを見る、考えるときに
具体度抽象度という視点をいれておくことがいかに大切かがわかる

 

【書評】『具体と抽象』細谷功|1ランク上の次元の思考力を手に入れろ! 量と質、仕事と生活、理想と現実、善と悪、目的と手段、戦略と戦術 この世に潜むありとあらゆる二項対立を 正確に捉え ...

 

あらにこれを読んで『無理の構造』を読むとさらに理解は深まる

 

 

とぅーん
とぅーん
Kindle Unlimitedなら無料で読めちゃう!

『メモの魔力』前田裕二

『具体と抽象』は具体と抽象という視点、軸をもったうえで

両者を往復することの重要性を教えてくれる

とぅーん
とぅーん
具体と抽象という軸を手に入れた!

次はより実践的な、具体的な行動レベル

 

その実践的な方法を知れるのが

『メモの魔力』前田裕二

 

 

具体と抽象の観点で言うなら
『具体と抽象』のほうが抽象的で
『メモの魔力』のほうが具体的

1500円くらいで250p

SHOWROOMの創業者、前田裕二さんは自分のことをメモ魔だと言う

ただし、ここでいうメモは、記憶に留めるためだけのメモではない

 仕事に限らず、僕から生まれ出るほぼすべてのアイデアは、ふだん無意識に通り過ぎてしまいそうなことに目を向けて、逃げずにそれらを「言語化」することで生まれています。その知的生産の過程を「メモ」と呼んでいるのです。そして、この、人間にしかできない知的生産活動こそが、仕事の真髄であると思います。 (『メモの魔力』前田裕二)

 

「知的生産の過程を「メモ」と呼んでいる」

 

『具体と抽象』では言語(と数)が、抽象化の最たるものであるといっている

つまり言語化というのがそもそも抽象化なのである

 

抽象というと、どうも曖昧、とセットに考えられがちだが

抽象とセットで考えるのは「曖昧」ではなく「汎用的」ということである

※抽象的が、なぜ「曖昧」と結びついてしまうかは、『具体と抽象』を読むとわかる

 

例えば感情

「嬉しい」と一語で表すことができるこの感情は
実際は人それぞれまったく違う感情だろう

ただそのなかの共通項をとりだして、名前をつけた結果が「嬉しい」なのだ

 

「言葉で表現できないような、曖昧な、感情」を言語化するというのは
一見、明確にしているようで具体化とも感じられるが

人それぞれ違う個別の感情を他者に伝わるように(汎用化)しているので
抽象化なのである

 

さて、言語化の話が長くなってしまったが
前田さんのメモ方法の肝は

「事実」→「抽象化」→「転用」

まず目の前でみた事実(個別)を言語化して「事実」として記述する

さらにそれをより汎用性の高いものになるように「抽象化する」

そして、そのあとに、自分で使える形、行動できる形に「転用」する

 

一度抽象化してから、具体化する

まさに「具体と抽象の往復」である

 

これが思考を鍛える、前田式メモ術

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『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ

とぅーん
とぅーん
ここまで比較的短く、わかりやすい2冊をあつかってきた

ここでちょっと厚い本へ、抽象化してみよう

 

そのための1冊が

『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ

 

 

 

上下巻あわせて600pで4000円と少し大変だが

人間が他の動物と比べて優れているのが「抽象化能力」だということが
歴史を紐解きながら理解できる

虚構、すなわり架空の事物について語るこの能力こそが、サピエンスの言語の特徴として異彩を放っている。(『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ)

 

少し違うかもしれないが
抽象化を推し進め切った先が、虚構の世界

 

『具体と抽象』の中でも
一体感を作るには抽象的なもの、ビジョンが大切だという話がある

 

人間(サピエンス)が集団となって外界と戦い
存続し続けるために、虚構(抽象化された世界)が必要だった

 

「お金」なども色々な価値を抽象化したもの

 

人類の発展を、具体と抽象、の視点で紐解くのがこの『サピエンス全史』

 

『日本再興戦略』落合陽一

とぅーん
とぅーん
サピエンス全史で世界を振り返ったら、次は未来にそれを当てはめてみよう!

善か悪か、◯か✕か

このような二項対立は非常にわかりやすい

このわかりやすさを武器に発展してきたのが西洋科学

一神教的な世界観との相性も良かった

 

それに対して、中国を始めとした東洋思想は
結局何がいいのかは、ちょっとわかりづらいようなふわっとした感じである

老荘思想とかすっごいふわっとしてる

 

落合陽一さんは、いろいろな本の中で
複雑で◯か✕では決められないような今の世の中でこそ

東洋思想を見直そう!といっている

 

そんな本の1冊が(他の本でもいい)

『日本再興戦略』落合陽一

 

 

なんてったって、この本もわかりづらい

学術書か、いやらしい人が作った国語の試験問題ばりの注釈がついている
各章ごとに平気で4pくらい注釈がある

 

始めから少し抽象化された状態でインプットするからこその学びってのはやっぱりある

とくにわかりやすさ、で危険なのは、わかった気になること

だからわかりやすい授業ってのも結構危険だったりする

 

わかりづらい東洋思想、と、わかりやすい西洋思想

というものも具体と抽象の観点でみてみるとおもしろい

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『弁証法はどういう科学か』三浦つとむ

とぅーん
とぅーん
西洋思想は◯か✕かといったが全部が全部そうなわけではない

それは抽象化したものを、具体に適用しすぎてしまっているというやつ

二項対立と対比される考え方の1つに弁証法というものがある

 

一見対立する2つのものを
1段階、抽象的なものにして両方満たしてしまおう!

みたいなのが弁証法の考え方(ちょっとざっくりすぎるが、、、)

 

そんな弁証法を解説してくれる本が

『弁証法はどういう科学か』三浦つとむ

 

 

科学は抽象化して法則化していったというような話を最初にしたが

科学全体としても、一見矛盾する2つの事実が見つかったときに

大きな発展をする

 

 

宇宙は地球を中心にできている
考えると、どうしても、天体の動きが上手く説明できなかった

そこで発想を大転換して、地動説が生まれた

 

ニュートンの運動法則が正しいと考えると
どうしても光の運動が説明できない

そこで生まれたのがアインシュタインの相対性理論

 

何かが矛盾している、両立できないと考えているとき
本当にそれは両立できなにのか?

1ランクうえの次元へ行けば
個別から抽象の世界へと登っていけば

実は両立できるものがあるはず

 

そんな弁証法というのも、具体と抽象の流れでおさえておきたいキーワード

 

まとめ

自分としてはこの5冊の中で

『具体と抽象』を読んだのが一番最後でしたが

そこで一気に色んなものが繋がりました

 

この個別でもっていた本についての知識がつながっていくというのも
抽象化の一つですね

 

ここにあげた本などをつなげて
抽象化能力について考えると楽しいですよ

 

ここまで読んでいただきありがとうございました

 

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