上野の森美術館で
2019/10/11-2020/1/13まで
兵庫県立美術館で
2020/1/25-2020/3/29まで
みんな大好きゴッホ展が開催する
世界の有名な絵画がこのように集まるのって実は全然当たり前のことではなく
そのような機会が多い日本というのは非常に恵まれている
自分は小説が好きで
映画や音楽も好きだ
芸術鑑賞 全般が好き
しかし!!
白状しよう
なにか、わかる日を求めて美術館はよく行くようにしているのだが
いっても「ふーーーん」くらいにしかならない
色合いきれいだなーなんて思うことはあるが
それくらいだ
クラシック音楽もちょっと似ている
音の迫力とかでいいな~~なんて思うことはあるがそこまでくらい
小説や映画はストーリーが言語化されているのでくみとりやすいが
絵画や音楽は言語情報がないので難しい
深い教養があるほうが、絵画や音楽は楽しめる
小説とか音楽だって、背景の知識があるほうがより楽しめることは多い
それは日本の多くの人も思っていたようで
最近は、上野の森美術館はチケットでもれなく音声案内がついてくる
イヤホンを聞きながら絵画を眺める人たちに対してこんなことを思っている人もいるかも知れないが
というわけで
美術の知識はないがゴッホ展に行こうと思っている方
印象派について知りたい方
今回参考にした本はこちら
タイトルの通り
印象派の絵画の説明というよりは
なぜその絵が描かれたのか
などといった経緯から世界の歴史をたどっていくような話
印象派がうまれた背景を知ることで絵画の理解を深めていこう!
ゴッホといえば「ひまわり」
印象派のお話の前にゴッホについて
「ひまわり」は今や誰しも一度は目にしたことがある絵だろう
しかし生前のゴッホは誰からも評価されていなかった
死後になって有名になった画家である
オランダ生まれ(1853年)のゴッホは
フェルメールやルノワール(つい最近フェルメール展が日本でも話題になった)といったオランダの画家からの影響を受けた
浮世絵にも強い関心を寄せていたことが知られている
1886年(33歳)フランスへ
その後、1890年(37歳)で若くして生涯を終える
「ひまわり」「星月夜」など主要作品はほとんどがこの
最後4年のフランス時代に描かれている
さてこの形式張った紹介でお気付きの通り
全然ゴッホについて知らない!
そこらへん解消するべくこれ読みます!
文庫化待とうかと思ってましたが先に読みたい
ゴッホについて知りたい
印象派は受け入れがたい絵画
そもそも印象派とは何か?
こういうときにはWikipediaに聞くのが一番!
印象派(いんしょうは)または印象主義(いんしょうしゅぎ)は、19世紀後半のフランスに発した絵画を中心とした芸術運動であり、当時のパリで活動していた画家たちのグループが起源である。フランスの保守的な美術界からの激しい批判にさらされながらも、独立した展覧会を連続して開催することで、1870年代から1880年代には突出した存在になった。この運動の名前はクロード・モネの作品『印象・日の出』に由来する。この絵がパリの風刺新聞「ル・シャリヴァリ」で批評家ルイ・ルロワの槍玉に挙げられ、その結果「印象派」という新語が生まれた。 (Wikipedia)
正直このWikipediaのページ見るだけでかなりためになる
最初に紹介した本の中で紹介されている絵がWikipediaにものっている
絵画と聞いてもう一つ思いつくであろう
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ
イタリアルネサンス期は15世紀と比べると
19世紀後半に発した印象派というのはかなり最近のものということになる
当時は、絵画においては歴史画や宗教画、肖像画というものが格付けとして上位であり
風景画や静物画は低位であった
そんな中、印象派は目で見たものを描くので風景画や静物画が中心となる
歴史画などでは色彩も明るく派手なものが多い一方
風景画ではそれほど派手な色ではなく自然な色が使われる
だからこそ当時の美術界にはうけいれられなかった
これがアメリカでのはやりなどもあり、徐々に評価を高めていく
誰にどう受け入れられたのか
その背景はどのようなものなのかを知りたい方はぜひ本を読んでみていただきたい
18世紀後半のフランス革命→19世紀半ばの第二帝政時代→普仏戦争
などの動きと重ね合わせながら説明がされている
印象派の代表としてはマネ、モネ、ピサロ、ドガ、セザンヌ、ルノワール
などがいる
ゴッホはポスト印象派といわれる
歴史画こそが絵画という時代に現れだした印象派
日本人に馴染みやすいのが印象派
歴史画には強いメッセージ性があり「読む絵」ともいわれている
服の色や持ち物などから何を表しているかがわかるようになっている
アカデミーの要求する絵画は、きわめて知的なものだった。知識を総動員し、「読む」絵だった。読むことで絵は、まるで映画のように動き出したのです。 (『印象派で「近代」を読む』)
そもそも貴族のたしなみであった絵画なので、庶民が知識なしで見て楽しめるようなものではない
見て、「派手な色合いだなー でっかいなー」と思うくらいだ
一方、印象派はというと
印象派の画家たちは、そうした知的作業によって作品を解釈されるのを嫌いました。絵を文学から、歴史から、神話から、主題から引き離し、独立させたいと願ったのです。純粋に絵として楽しんでほしいと思った。いま自分たちが見ている陽光のもとの自然、いま自分たちが体験している近代社会、いまの自分たちと同じ空気を吸っている人々をそのまま描きたい、誰が見てもすぐわかる絵を描きたい(中略)画面から漂う空気感のようなものを、ただ味わってほしい、そう願ったのです。 (『印象派で「近代」を読む』)
知的作業ではないといいつつも
当時の空気感を表現するという絵画からは
フランス革命や産業革命がおこった18世紀末にはじまったとされる近代が
どのようなものだったのか
そのためのヒントが散りばめられている
まさに時代の空気感を、生活者の視点から表現している
印象派は当時の世の中をありありと描き出す
まとめ
当時の絵画の主流からは外れて発展した印象派
難しい知識がなくても見れる点が絵画の知識がない人にも優しい
彼らは何を見て、何を思い、何を表現したかったのか
カメラが発達しつつもまだ発達しきってはいない時代では
絵こそがその時代の景色を教えてくれる
今の世の中では写真がありふれているのに対し
貴重な1枚1枚の絵
そんなことに思いを馳せながら見るとまた一段とたのしめるんじゃないでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございました
より広く学ぶためには以下の本もおすすめです